月曜日, 3月 15, 2010

似ているIPアドレスのページを探す

lip
検索対象に近いIPアドレスのドメインネーム(リモートホスト)を表示するサイトを作りました。
ドメインネームからIPアドレスに変換して、ネットワーク部と推測される部分の下一桁違いのアドレスに問い合わせて、あればドメインネームを取ってくる。

redundant webというWeb上の展覧会に出した作品。
kiviakというアーティストランスペースの谷口君が企画。
参加作家は全員以下のレギュレーションに従って制作した。

1:webを展示空間とするのではなく,素材として用いること.
2:単なるwebツール/webサービス(道具)を作らないこと.目的のない,且つ合目的な道具を作る.

メディアアートというジャンルを語る際に、余りにもテクノロジーや政治的なアクションにばかり傾き、「この赤がいいよね」というような質感に関する議論がほとんどなされていないのではないか、という疑問が谷口君にあったらしい。
花は繁殖のために綺麗に咲くというが、それにしては綺麗過ぎるという「目的なき合目的性」こそが「美術」であると捉え、「役に立たない機械」を作ることでそれを達成しようという試み。

Webにある素材としてまず着目したのがIPアドレス。普段あまり意識することはないけど、なくてはならないものだから。

無作為にWebページを見たり、新しいものを見つけるのは結構難しいという風に思っていた。RSSリーダで沢山のページは購読しているが、たまに全く関係ないものにアクセスしてみたくなる時がある。結局それを面白がれるかどうかは自分次第なので、そんなに振れ幅は大きくならないのだけど、それまで自分になかったものをどうやって取り入れていけるかは常に考えている(今はKPOPのアイドルが好きです)。
2番目の「目的のない,且つ合目的な道具を作る」という課題への回答としては上記のようなところで、当たる確率の低さや、下一桁違いという大雑把な探し方が冗長性かなと思っている。これでは理由として弱い気もするが。

似たような作品にIP Browserというものがある。こっちはラジオのチューナーを意識しているみたい。「Googleとは違う世界の見方」、みたいなことが書いてあるが、今回の僕の狙いも1つはそこで、「ポータルサイトがなくなったらどうなるのか」という疑問がネットを始めた頃にあった。すごくシンプルで愚直な答えが出せた。

技術的なところでは、初めてPerlでCGIを書いて、JavaScriptもXMLXttpRequestをある程度使えるようになったのが良かった。