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月曜日, 12月 12, 2022

2022年のベスト数学

ようやく数学との付き合い方が分かってきたように思う。机の周りなど自然と手に取れる範囲にある本が数学の本になってきた。以前はまだ「頑張って数学を勉強するぞ」という感じだったが、だいぶ気負いなく楽しめるようになったと思う。世間的にも大学数学の教科書が、大手の出版社から手に取りやすい価格で出たりして、高度な内容を体系的に楽しめる状況が整いつつある。Martin H. Weissman、安福悠『図解する整数論』は、まさに自分がやりたかったことではないか(2019年の最後の段落)と驚いたと同時に、数学の言葉でこういう風に語れればやれることがありそうだと自信をもらった。「数は、数えたり測ったりするために使うものとし、それ以上は考えない」という姿勢。他にも「フリーズの数学」や「ヤング図形」など、新しい景色が見えてきていて興味は尽きない。

放送大学

面接授業で『身近な群』という講義を受けた。ルービックキューブやあみだくじや壁紙のパターンのような「日常的に目にする」身近さを想像していたのだが、「線形代数で考えると具体例が沢山見つかる」という意味の身近さだった。群は抽象代数学で扱うのが主流ではあるが、先生は幾何のご出身で、線形代数から群にアプローチして具体的な計算に慣れることで理解を深めるのが狙い。もう少し知りたくなって参考書があるか聞いたら「ない」と言われた。色んな分野からかき集めたものであり、「本を読んで勉強するものではない」とのこと。「リー群」など関連しそうなキーワードだけ教えていただいた。

放送授業は去年単位が取れなかった微分積分と線形代数を引き続き受けている。これらを勉強したくて始めたのに、「しっかり理解したいから後で時間とろう→そんな時間はない」となってしまっている。理系科目の難しさは度々言及されているので、じっくりやっていこうと思う。

図書館にもお世話になっていて、Springerや丸善が提供する電子書籍が読める。いつか買うつもりの『プリンストン数学大全』も読めるし、ブルーバックスなども結構な冊数が読めるので本当にありがたい。また、知らずに読んでいたのだが高橋礼司『対称性の数学』や石田英敬『現代思想の教科書』は放送大学での講義を基にした書籍で、千葉の本部図書館に行けば映像を観られるようだ。CTGの槌屋治紀も『技術の分析と創造』という講義を開いていた。教科書を中古で買ったが、コンピュータアートに関しては一切触れていなかった。

コンピュータと美学

図書館といえば川野洋『コンピュータと美学』を東京都現代美術館の図書室で読んだ。メディアアートの先駆者として個人的な興味で調べていたのだが、自分たちが学生時代にしていた作品と論文を組み合わせる形式も、この流れにあったのだと分かり、約20年の時を経て納得した。絶版で中古市場でも手に入りづらくなっているため、復刊あるいは電子書籍化できないかを出版社に問い合わせたところ、真摯な回答をいただいた。ひとまず経緯を見守りたい。

川野さんの作品も展示されていた『イメージ・メイキングを分解する』という展覧会があったのだが(不覚にも観に行けず図録のみ入手)、ここに木本圭子さんが寄せたテキストには元気づけられた。オンラインでも読める。

ここまで、私が接してきた数学のことを書いたが、まだどれも入り口だと考えている。いろんな数学書(解析や多様体や複素解析など)を読んできたが、その最初の数十ページの基礎の思考が重要だった。

野生の秩序、散歩の途中 | TEXTS | ÉKRITS / エクリ

群論の入門書を読み、非常にシンプルな規則からものすごい広がりが生まれていると錯覚していたのだが、歴史的には逆で、さまざまな分野の議論が整理され削ぎ落とされて成立したものらしい。「数十ページの基礎の思考が重要」というのはそういうことだろうと思う。

木本さんの仕事を調べていると東京理科大学の科学フォーラムが見つかった。2010年7月号のコンピュータアート特集で、他に川野洋、ハロルド・コーエンなどが寄稿している。川野さんは10月号にも記事を書いており、彼の作品がZKMに寄贈されるに至った流れを説明している。本人が亡くなる2年前の原稿で、歴史的にも重要な資料のはず。これもどうすれば入手できるかを問い合わせたら、10年以上前のもので傷や汚れがあるとのことで「お役に立てれば幸いです」と無償で譲っていただいた(実際はとても綺麗な状態だった)。

このようにさまざまな窓口は開かれている。SNSに閉塞感を抱くでもなく、Web3に望みを託すでもなく、見知らぬ人々と立場を超えて繋がれるインターネットはただそこにある。


この記事は2022 Advent Calendar 2022の12日目の記事として書かれました。昨日はjune29さん、明日はshikakunさんです。お楽しみに。

火曜日, 12月 15, 2020

2020年のベスト(を尽くした)数学

今年は言うまでもなく新型コロナウイルスの影響で家にいる時間が長かったが、数学の勉強はあまり進まなかった。外出自粛中に始めたDuolingoでの英語と韓国語は12月15日現在で264日続いており、その他にもMemriseAnkiELSA Speakは毎日欠かさず続けられているので、やはり自分は文系科目が得意なのだろう。Brilliantというアプリが高度な数学を取り扱っていて、コンピュータサイエンスなども学べてUIもいい感じなのだが、いかんせん英語で学ぶハードルが高く(記憶に定着しづらい、概念が掴めない、専門用語が分からない)、途切れがちになってしまった。語学の伸びでいつかカバーできるようになれば良いのだが。

世の中的にはABC予想の証明が認められたり、感染症の数理モデルが注目されたり、PCR検査でベイズの定理が話題に挙がったり、三菱UFJの社長が数学科出身の人になったりと、数学の年だったと思う(毎年言ってる)。『数学ゴールデン』という数学オリンピックを目指す高校生が主人公の漫画の単行本も出た。

年の前半は仕事も少なく、いい機会だからとチュートリアルをこなしていた。これはOpenGLなどのグラフィックライブラリを使わずに3Dレンダリングの原理を学ぶ講座で、三角関数の加法定理の幾何学的な証明などもあって楽しめた。

Learn 3D Computer Graphics Programming from Scratch

その後ゲームを作る仕事があり、少しは経験を活かせたかも知れない。

ステイホームでいつもは後回しにしがちな事務作業がしやすく、せっかくマイナンバーも取得していたので資産運用を始めた。少額で投資信託を積み立てたり、好きな企業の株を買ったりしているが、一応数学的な知識も参照している。毎朝の更新が楽しみで、クリスマスの朝を待つ子供のような気分で寝られる。年を取るのも悪くない(利回りが良ければ)と思えるようになった。

カルチャーセンターでの抽象代数学講座はコロナで3ヵ月間休講し、その分後ろにずれたので、今月が最後となる。来年からはちょっと趣向を変えてゲストを呼んだトーク形式になるようだ。それはそれで面白いと思うのだが、大学の講義のように、ひたすら先生が解説をして演習を解くスタイルが好きだったので少し残念。(これは3ヵ月ずれた影響で、新年度が始まる4月までのつなぎっぽい。4月からは微分・積分だとか。行かねば!)

ということもあり、やっぱり体系的に大学の数学を学びたい、と思って放送大学の情報コースに出願した。自分は専修学校から大学院に進んだため、一般教養的な授業を一切受けておらず、それに対する飢餓感が常にあった。放送大学は所属コースを決め、卒業までに必要な単位のうち、所属コース外の授業をいくつか取らなければならない仕組みになっている。そのためメインとなる情報コースでは仕事に役立ちそうな技術や法律を学び、社会と産業コースで経営や会計、自然と環境コースで高度な数学、人間と文化コースで美術の歴史などを学べばかなりの知的好奇心が満たされるのではないかと期待している。あと韓国語もある。

今年読んだ本では伊藤由佳理『美しい数学入門』がとても面白かった。「美しい」とあるが、黄金比による視覚的な美とかではなく、構造や理論が中心。

抽象代数学やその他の本でも必ず「写像」の概念が出てくるが、高校時代に習ったはずの概念がこれほど重要だとは思わなかった。風邪か何かで休んだのか、寝ていたのか、先生が話していた様子を思い出せず、教科書を読んでもよく分からず、全射・単射・全単射の違いは分かったけど、何のためにこんなことをしているのだろうかと思った記憶だけが残っている。それがこの本の4章の線形写像の解説を読み、ようやく「そういうことだったのか」と理解した。この感覚を説明するのは難しいのだが、ただ線形写像の定義をそのままそういうものとして受け取るということで、一次関数のグラフや線という言葉のイメージに引っ張られてはいけない、ということだ。これは線形写像に限らず全てにおいて言えることで、自身の数学観が大きく更新された瞬間だった。本文中にさらっと書かれているが、「イメージできないものも扱えるのが数学の強み」正にその通り。20年前に気づいておきたかった。

そう、そしてちょうど語学と数学を勉強していると、何となくある言語を別の言語に翻訳する際に写像が思い浮かぶ。言語を集合ととらえ、互いに変換可能な関係かどうか。当然別の言語では表せない概念もある。しかし逆に、日本語と韓国語は漢字由来のものなど、共通する語や似たような響きで同じ意味を持つ語も多くある。日本語と英語でも「そう」と"so"、「名前」と"name"など、偶然の一致なのか起源が同じなのか、それを表す語として人間が相応しいと思う何かがある(ブーバ・キキ効果みたいな)のか、不思議に思うことはあるだろう。そんなことを調べている人はいるのかなと思ったらやっぱりいた。「不思議だな~」で終わらせず、統計や群論を駆使して誰もが納得できる指標を作ろうとしているのがかっこいい。この中で触れられている安本美典『言語の科学』は古本で安く手に入った。こうして読めない数学書が増えていく…。

この記事は2020 Advent Calendar 2020の15日目の記事として書かれました。昨日はyamanokuさん、明日はyoukosekiさんです。お楽しみに。

火曜日, 12月 17, 2019

2019年の私的数学まとめ

数学熱は今年も続いている。ガロア理論講座は終わり、抽象代数学を学んでいる。なんと今のところ授業についていけている!ガロア理論は全然分からなかったが、やろうとしていることや5次方程式が一般に解けないことの証明の大まかな道筋は分かった気がしている。

世間的にも数学はブームだったように思うが、どうだろう。『はじめアルゴリズム』、『数字であそぼ。』『フェルマーの料理』など、数学(しかも大学レベル)をテーマにした漫画が描かれ、加藤文元先生の『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』は7刷まで重版がかかったそうだ。色んな賞も受賞している。年末年始は先生が書かれた線形代数微分積分を勉強したい。他にもたくさん数学書を買った。理解できないものも多いので、なるべく図書館で借りることにしているが、明らかに読むのにかかる時間以上のペースで増えていっている。理工系の古本屋で200円くらいの文庫本を買うのが日々の楽しみになっているせいもある。

最近は趣味を聞かれた時には迷わず「数学」と言う。これは自分が数学を理解しているとか、高度な数学を研究しているとかではない。けれども、自分が面白いと思うことや分からないことを、誰かが解決してくれはしないという意味で、自分の数学ができているという確信を持てるようになった。

問題集には答えがあり、論文では色んなことが証明されている。しかし、自分が数学の何を面白いと思っているかは、どこにも書かれていない。もしかしたらあるのかも知れないけど、まだ見つかっていない。先生に聞いても分からないだろう。「正しい問いを立てられれば、問題は半分解けたも同然」と言われるように、まずは問いを立てなければならない。そしてその問いを立てられるのは自分しかいないのだ。

今年の夏に「ロマンティック数学ナイト」というイベントが開かれた。主催の「和から株式会社」が開講していた数学ゼミを受講していたため、その成果発表として枠をいただいたのだが、残念ながら都合により参加できなかった。代理で発表してもらったスライドがある(Githubにコードも上げている)。単純なものではあるが、1つまとまった形にできたのは大きい。アドベントカレンダーの趣旨に沿うならこれがベストだ。手法自体は既に他の人も実践しているので、新奇性というほどのものはない。ただ、ここに辿り着くまでに色々調べたりもしていて、あと2段階くらいブレイクスルーが起きればそれなりに誰もやってないところに行けそうな予感がある。数学が得意な人は自分のように形や色に興味を持ってないし、デザイナーで抽象数学に興味を持っている人もあまり見つからず、加えてある程度プログラムが書ける人、となるとさらに数が限られてくるので、これはもう自分がやるしかないな!という気持ち。

やりたいことは「何らかの規則を元に、形を作る。」これだけのことだ。そしてそこで大事なのは、実は幾何学ではなく数論だったりするんじゃないかな、というのが最近の気づきで、来年のテーマとしたい。具体的な目標としては大学の研究紀要に載せること。

この記事は2019 Advent Calendar 2019の17日目の記事として書かれました。昨日は_ngmndaさん、明日はO-SHOW:THE:R!PPΣRさんです。お楽しみに。

火曜日, 12月 11, 2018

2017と比べて2018はどれだけベストだったか

とにもかくにも数学

去年唐突に始まった数学熱は今年も冷めず、というか分からないことだらけで数ページ読んでは本を閉じる、を繰り返してたらいつの間にか1年経っていたというのが正直なところ。代数幾何学の講座は終わり、今はガロア理論の講座を受けている。それとは別に個別指導の塾や、機械学習の数学的な解説の授業、数学ゼミなど、数学にかなりの時間とお金を費やした。

それで何か目に見える成果が得られたのかというと、全くない。そういう視点からすると、とにかくコスパが悪い。が、ここまでコスパが悪いものもそうそうなく、時間を潰すという意味では逆にコスパが良いとも言える。延々悩み続けられる、全く消費されないコンテンツなのだ。

こんなに面白いのだから、誰かもっと早くに教えてくれれば良かったのに、と思うけれども、面白すぎて、他のことが手に付かなくなってしまう。数学を志す人間が心を病んでしまう話はよく耳にするが、それもちょっと分かる気がする。高校までで習っていた数学は氷山の一角に過ぎない。

今まで何度か数学を勉強し直そうとして挫折してたのは、単純に高校のやり直しをしようとしていたからだ。大学数学は全然飽きない。高校数学であんなに難しかったんだから、大学数学なんてできる訳ないんじゃないの、と思ってしまうが、全く歯が立たないということはなく、導入部分であれば中学校の知識でも理解できる。プログラミングの学び方と同じで、必要になった時に遡れば良い。ハンズオン形式のチュートリアルと同じように、証明や式の流れを写経して理解できることも多い。

ここまで夢中になったのは、個別指導でベクトル空間について解説してもらい、高校で習った「向き」と「大きさ」だけじゃない、もっと抽象的なものの集まりを教わったのがきっかけだと思う。さらに演算も、足したり引いたり掛けたり割ったりだけじゃなくて、「あみだくじを繋げる」とか「立方体を回転させる」とかも含んでいて、学生時代に勉強していたアルゴリズム作曲などにうまく接続できそうな予感がした。

数じゃないものを扱ったり、四則以外の演算も数学として扱うということは、個人的には便器がアートになったくらいの衝撃だった。その衝撃を思い出させてくれる解説がYouTubeで公開されているので、観て欲しい。

【代数学】群がどうしても分からない君へ(群論超入門)【特別講義】

数学イベントや大人向け数学塾、カルチャーセンターの充実だけでなく、このような動画も沢山公開されていて、とにかく今年は数学を学ぶのにベストな年となった。教育系YouTuberと呼ばれる人達の中には「ビッグになりたいから」数学の分かりやすい解説を作り続けている人もいて、全く意味が分からないけど感謝しかないしビッグになって欲しい。数学書を買うためにメルカリやヤフオク!を使い始めた(売るような人なので状態が良い)り、仕事で神保町へ行く機会が増えたりした結果、明倫館書店や書泉グランデなどの鉱脈も見つけた。完全に趣味なので、できなくても怒られないし、自分のペースで続けていきたい。

このエントリは 2018 Advent Calendar 2018 の11日目の記事として書かれました。昨日はlesson5さん、明日はxKxAxKxさんです。

木曜日, 12月 15, 2016

2016年に食べて良かったもの

僕は朝ご飯は基本的に食べないし、たまに昼も食べなかったりするのだけど、それでもだいたい1年で800食くらいは食べてる計算になる。そんな中で記憶や記録を掘り起こしていくつか良かったなーというのを挙げてみた。

今年は働き方が変わって、取引先で作業することや出張が多く、必然的に新しい出会いに恵まれた。とあるレストラン検索サイトの元社長が「みんな一生懸命お店やってるのに勝手にランキングつけてそれでお金もらってるなんて、恥ずかしい商売だっていう意識を持ってないと駄目」みたいなことを言っていたのだけど、いや本当にそう!

最近体力の衰えからか、精神的にも前ほど頑張れなくなってきたのでランニングを始めた。走った後のご飯のうまいこと!ランキングよりランニング!

とおのや 要
発酵の達人。全国を食べ歩いて気に入った店で修行してたらしい。彼がおすすめする店はネットで探しても出てこない。

bi.ble
美瑛で分子調理が食べられる。パンもおいしい。 

鷹匠壽
紹介がないと入れない上に予約も取れない。連れて行ってくれた人によると素材の良さ、さばき方、焼き方が絶妙とのこと。本当にシンプルなので何でこんなにおいしくなるのかわからない。

Google六本木オフィスのカレー
無料であることや種類の多さに目がいきがちだけど、カレーがいい。

Morgenstern's Finest IcecreamのEDIBLE SCHOOLYARD MINT CHIP
「アメリカ人のアイスへの探究心は日本のラーメンに近い」とはexonemoのやえさんの言。真っ黒なココナッツアッシュとか!卵使わないとか店の造りとか日本でも流行りそう。 

笹だんご
新潟土産はこれが味とインパクト(お土産ですよ感)的に良かった。

松記鶏飯
海南鶏飯が至高。何食べてもおいしい。

代々木屋の納豆蕎麦
急いでる時、変な時間に食べる時、お世話になった。 

ジランドール
近場ながら現実から離れられる場所。ニューヨークグリルも。

コチンニヴァース
レモンライスに衝撃を受けた。

fuzkue
ランチもありがたい。

丸香の野菜天
客先が近いのでピーク時を避ければ余裕で食べられる。

酢重ダイニング
8と香妃園に行き過ぎた六本木の大人が求める安息の地。

こくわがた
電撃が走る系の出汁。

COBI COFFEE
ありがとうNEWoMan。

久助
昔の職場に近いが全然知らなかった焼き鳥。

Sweedeedee
お洒落すぎずほっこりすぎない丁度良さ。

ディラン
ベストカレー。

Food Hub Project テストキッチン
本格オープンは来年3月とのこと。

食道園の冷麺
遠野で気になって期待せずに入ったらめちゃうまかった。深夜にどんどん人が入って来る。向かいの「つるや」もすごい。

Sunday Bake Shop
一番食べた甘いもの。

Le Cabaretの桃とブッラータ
驚きました。あとここのリエットでリエットに目覚めた。

Ess-a-Bagel
種類が多く、注文の仕方がわからず、人も並んでるのでプレッシャーで適当に頼んでしまったけどおいしかった。練習してからまた行きたい。

さえらのタラバガニサンド
毛ガニ派も認めるおいしさ。

2016 Advent Calendar 2016の15日目の投稿です。
昨日はfrkoutさん、明日はsuzurijpさんです。

火曜日, 1月 05, 2016

2016年に意識していくこと

食や本に顕著なのだが、去年の振り返りが完全に年の後半の出来事に偏っていた。振り返りの間隔を縮める必要を感じる。

2015年の頭に意識していくことを挙げたが、今年はどうか。

状況に合わせた情報の提示

去年は「アグリゲーションのアグリゲーション」を挙げていたが、これに関してはGoogleが良さそう。開発用にAndroid端末も購入したのでスマートウォッチもGoogle WearにしてGoogle Nowに色々任せてみるつもり。学生時代に情報の解像度とシーンに関しては考えていたが、BLEやAIなどの技術がより普及すればかなり便利になりそう。

当時のプロジェクトを率いていた入江先生も退官し、その頃の知見がどのようにアップデートされているか不明だが、せっかくなので共有しておく。

Know(知る), View(見る), Touch(触れる), Manipulate(操作する)というように、情報に対する人間の関与の深さを解像度として表している。そしてPersonal(個人), Village(仲間との共有空間), Public(公共空間), Ad hoc(状況に応じて変化する場)においてやり取りする情報を挙げている。

例えば誰かにiPhoneの画面を見せている最中に、LINEの通知が来て上部のバナーに本文が表示され、恥ずかしい思いをした経験があるだろう。設定でプレビューの表示を切り替えられるが、人間がいちいち決めるのではなく、状況に応じて最適と思われる形になっていて欲しい。

スマートウォッチやIoTと呼ばれるものの普及はこの考えを推し進めるものだ。かつては全ての情報がデスクトップコンピュータにあり、操作もそこで行う必要があった。それが少しずつ切り分けられ、通知のみであれば腕時計を見れば良く(Know)、緊急度や内容に応じてスマートフォンで確認するなり(View)、デスクに戻って作業する(Manipulate)なりのグラデーションが作られるようになった。

BasecampにWork can waitという機能がある。今すぐ返事が欲しいのか、就業時間内であれば良いのか、各自の状況に合わせて通知方法を選択する。x.aiはスケジュールの空きを見つけて最適なミーティングのスケジュールを設定してくれるが、こういうことがもっとスマートに実装されていくと、取り組むべきタスクが自動で割り振られるようになるかもしれない。便利なのか窮屈なのかは分からないが…。

Facebookも対話型の人工知能アシスタントを開発中だが、これらの流れはGUI的なコックピット型のインターフェースからCUI的なコマンド型のインターフェースへの回帰と言えるのではないだろうか。この話題についてはもう少し詳しく書きたい。

Meta Design

研究テーマみたいなのものが欲しいなと思い、何かしら中長期的に興味を持てそうな分野を調べていた。提唱しているRune Madsenによると、デザイナーは自らの手を動かして最終的な成果物を作る人で、メタデザイナーはコードを書くなどして最終成果物を作るシステムを作る人と定義している。

修士論文ではインターフェースとその積極的な誤用によってどのような創造が可能になるかを調べていた。ゲーム会社でUIデザイナーとして仕事をしていた時も、「脳と直結すればいいインターフェースというのも違うよね」という先輩プログラマーの話が引っかかっていた。

人間が想定していたものから、少しはみ出るものを作るにはどうすればよいか。

生活

去年で一気にシェアリングエコノミーが広がった(周りでホストや利用者がいる、飲み屋で耳にするなどの体感値。客観的なデータは総務省がまとめた情報通信白書が面白い)。AirBnBをインフラとして、清掃作業やメールなどの運用代行サービスを提供するビジネスも出てきた(元々のコンセプトからずれるのでやめて欲しいがそれも含めて生態系っぽい)。Sumally PocketはそのままSumallyと組み合わせて個人間のレンタルサービスにも展開できそうな気がする。これらのサービスは固定化していた資産やスキルを流動化させ、お金の動きを作ったというのが大きい。

個人的にはここまで普及したスマートフォンを利用して世の中に役立つものを作りたい。ゲームやSNSに使ってる時間やCPUでできるボランティアを可能にするような。

食に関してもシェフズテーブル的なものからSoylent的なものまで幅広く体験していきたい。そこそこお金があれば退屈しないだけのコンテンツがあり、食べるのにも困らないが、だからこそそうでない世界が見たいし、その体験を活かす方面で努力したい。

月曜日, 12月 28, 2015

2015年を振り返る

仕事

引っ越したボストークに席を置かせてもらっている。クライアントの会社で作業することも増えてきていて、少しずつワークがシフトしている。

相変わらず電子書籍関連の仕事を請けつつ、地方創生的な案件も企画と開発で関わっている。同世代のfacebookを見ていると規模やクライアントの違いはあれど、どこかしらの地方を創生しているので、我々世代のミッションなのかもしれない。それぞれ別の分野で仕事をしていた友人と同じイベントで偶然再会したりして、いい感じに人材が溶けてきている。CollaVolイノベーション東北などオンラインで可能なボランティアやプロボノ活動から地域に関わり、仕事や知人を得るという選択肢ができ始めている。いきなり移住とか、骨を埋める覚悟を決める前に、グラデーションを作っていく仕組みが必要。

初めて非常勤講師として連続の授業を受け持った。プログラミングの経験があまりない学生が多かったが、課題に対して真摯に取り組み、形にできていた。少し手応えを感じたのだけれども来年度は授業の枠自体がなくなってしまった。

今年は仕事量が多かった。それに応じて収入も上がったのだけど、持続可能な感じはしない。量を減らし、質を高め、単価も高めたい。

個人活動

ハッカソンに参加してみた。結果はうまくいかなかったけど、問題設定は良かったと思う。普段の仕事では実現可能性がある程度見えている枠の中で思考しているので、理想ありきで調査し、手を動かすことの楽しさを思い出した。

Typetalks分科会に参加し、欧文組版の基礎や考え方を学んだ。デザインのテクニカルな話というよりは、歴史や文化に関わるコンテクストの話が多かった。石碑や写本の時代からすると、誰でも情報にアクセスし、意見が言える現代のテクノロジーは本当に革命的。

NNNNYで展示をした。個人的に失敗が多く力を出し切れなかったので反省してる。

Dropophoneを作り直した。作り直す話をしてから1年半、ずっと心に引っかかってたので本当に良かった。TwitterやApp Storeでの反応を見てると、iPhoneの世代が変わっても残しておいてくれてたり、アップデート前の解像度に懐かしさを感じてくれてたりして、デジタルおもちゃのあり方について考えさせられた。まさか5年振りに更新の通知が来るとは思わなかっただろう。見てない間に機能が充実してたiTunes Connectによれば全期間のダウンロード数は約11万。Lullatoneの音のエヴァーグリーンさよ。

生活

暮らし向きは確実に良くなっているのだけど、妻が少しの間入院したことで、それが非常に危ういバランスの上で成り立っていたことが分かった。看病してるからといって仕事が少なくなるわけでも、その分の補助金が出るわけでもない。むしろ時間は圧迫され、医療費もかかってくる。予防が大事であることは言うまでもないが、防ぎようのないこともある。今まで自分が仕事や勉強に打ち込めたのは、意識するしないに関わらず周りがそのような環境を作ってくれていたからであり、恵まれていたとしか言いようがない。

Apple Music、Netflixでサブスクリプション元年。事前にレビューを読んで色々と検討するよりも、とりあえず再生してみた方が早くなった。お金を使うことから時間を使うことに意識がシフトする。

インターネット

相変わらず地獄が続いているが、希望は捨てていない。

ただ、仕事でもプライベートでもいくつかSNS公開禁止の場に居合わせて、めちゃくちゃいい思いをした。インターネット経由での私刑が増えた結果、そういう世界の情報は外部に出なくなり、アクセスも難しくなる。

感情の政治学
行動経済学と同様、政治においても人間が合理的な選択をするとは限らない。これを読んで少し政治に対して新たな視点を持つことができた。
イスラーム国の衝撃
池内先生の情報発信は非常に心の支えになった。宗教は非科学的で不合理なもの、というイメージがあったのだが、律法的な側面に着目すると、コミュニティの統制を保つ上で非常に合理的。
かくかくしかじか
美術なり何なり作ることを志した人なら誰でも共感できると思う。ただ「描く」という単純なことを皆いつの間にかやめてしまう。愚直に続ける人の尊さを分かっていながらその人にも美術にも踏み込めない自分。

音楽

Mixを聴くようになって個別の楽曲に執着がなくなった2005年頃からそういう状態ではあったが、Apple Musicによって特定の作品を繰り返し聴くことがさらになくなって(乃木坂46以外)、毎日何かしらおすすめされたものを受動的に聴いていた。

ミュージシャンが集まる場で何となくDJ的なことをしてもらってると高確率でいい曲に出会えるのでああいうのもっと体験したい。自分のディグの深度が浅くなってるのは日々感じる。

機械がレコメンドしても人間は聴かなくて、やはりピアプレッシャーというか、同じコミュニティの共通言語みたいなものにならないといけない気がする。最適なものが提示されれば良いというのでもなく、いやあれクソでしょみたいな話がしたいのではないか。

シェパニーズ(カリフォルニア州バークレー)
アメリカ出張で同行した人がシェフと知り合いで、今年で辞めてしまうそうなので行くことに。ディナーで3万円くらいなんだけど、その価値はあった。
Sweedeedee(オレゴン州ポートランド)
住宅街に突然あるカフェ。テーブルが空くのを待っている間は外でコーヒーが飲める。自然と隣り合った人と会話が始まる感じが良かった。BEAMSでポップアップストアを開いていたミシシッピレコードが隣にある。
たべごと屋 のらぼう(西荻窪)
野菜がとても美味しい。三鷹で採れたものもある。驚きのある料理。
ディラン(御茶ノ水)
職人ぽい店主が作るカレー。南インド料理、北インド料理の両方を兼ね備えているらしい。

木曜日, 4月 02, 2015

極私的浅草

3年ほど住んで、結婚式やパーティを開いた思い出深い浅草を離れた。その前は蔵前に住んでおり、東日本橋に勤めていたので、浅草〜東日本橋周辺には非常に愛着がある。何かのきっかけで近くにお立ち寄りの際は是非。

鮒忠/浅草

地元の人に愛される居酒屋。チェーン店だけどマニュアル化されたそれではなく、いい意味で雑。ハムカツが名物。コーン茶割とかウコン茶割も好き。

尾張屋/浅草

並木藪蕎麦がレストランで、尾張屋が食堂というのが地元の人の認識。かしわせいろ一択。

いちかわ/浅草

家の近くの蕎麦屋で、お酒を飲みたい時に。一品料理が凝ってて驚きがある。

米久/浅草

伝統あるすき焼き屋。長居はせずにさっと次に行くのが粋らしい。親とかが来たら行く。近くに正直ビヤホールという素敵な店があるが10年早い。

本とさや/浅草

打ち上げでよく行った。サービスカルビで十分。

大成苑/浅草

店の雰囲気が良い。タンがおすすめ。浅草は肉も美味しい街。

フルーツパーラーゴトー/浅草

毎日変わるパフェは庶民の楽しみ。フルーツはもちろん生クリームも美味しい。お歳暮などはここで。

Ourbs/浅草

浅草では珍しい若者向けのお洒落なカフェでご飯も美味しい。タイ料理とイタリアン。服も売っている。

ナカムラヤ/浅草

ここも珍しいお洒落なバル。漬物屋の2代目が始めたらしい。

酒の大桝/浅草

洒落たビールとかすず音とか売ってる。イベント用のお酒はここで買っていく。

あづま/浅草

DXラーメンがシンプルで美味しい。純レバ丼はレバー苦手でも大丈夫というかむしろ好き。入るのは少し躊躇する。

釜飯むつみ/浅草

釜飯が美味しいのは勿論だけど、店の雰囲気が親戚の家っぽくて良い。海鮮も美味しい。

ロッジ赤石/浅草

朝5時までやってる喫茶店。深夜の散歩コース。カツ丼とかタマゴサンドが美味しい。

龍園/浅草

汁なし担々麺が上品で複雑な味。チャーハンも美味しい。

フェブラリーカフェ/田原町

朝によく行った。バタートーストはペリカンのパンに糖蜜をかけるのだけど、これが絶品。アイスカフェラテの季節が恋しい。持ち帰りだと100円安くなる。

遠州屋/田原町

浅草では意外と少ない使いやすい定食屋。

デイリーズマフィン/蔵前

甘いやつもおかずになるやつもある。カスタードクリームのベーグルも良い。

Nui/蔵前

既に数多くのメディアに取り上げられてるゲストハウス。1階がカフェ&バーになっててほとんど外国。

ブラッスリージョンティ/浅草橋

一番好きな店。始めはアルザス料理という見慣れない文言に興味を持ったのだけど、勇気を出してランチに入ってみたらお手頃な価格で、にも関わらず帰る時に外まで見送ってくれたのが衝撃だった。料理やワインについて分からないことは何でも教えてくれるし、好みに応じてアレンジもしてくれる。自家製ジンジャーエールがめちゃめちゃ濃厚で美味しい。高級な感じではなく、家庭料理っぽい親しみがあって2週間に1回は食べたくなる。休日ランチがおすすめ。めでたい時、親や友達が遊びに来た時はここ。主にキャンセルが出た時Twitterでの発言味わい深い

つけ麺 素家/浅草橋

ここに行けるくらいの時間帯に退勤することが目標だった。

やまらぁ/人形町

どろっとしたスープが特徴。塩が好き。

肉のやまや弁当/東日本橋

駐車場を時間借りしてる肉屋の弁当。11時に行かないとすぐに売り切れる。ここでお昼を買えるくらいの時間帯に出勤することが目標だった。

料理川治/東日本橋

東日本橋のランチで海鮮ならここ。開店と同時くらいに行かないと激混み。客のほとんどは会社勤めの老人(昼の早めの時間に出られる偉いか逆に全く偉くない人)で、自分たちが来るのは20年早いと思う。入れなかったら近くの魚虎も良い。

一徹鮨/東日本橋

1.5人前は手巻きがつく。あら汁が美味しい。たまにめっちゃワサビが効いてるのがあるのはご愛嬌。

ラララ食堂/東日本橋

女性客が多いお洒落なタイ料理屋。ここのカオマンガイが一番好き。

虎穴/東日本橋

ランチには汁なし担々麺が食べられる。汁なし担々麺はここのが一番好き。夜は行ったことない。

菊屋/東京スカイツリー

ディープスポットとして思い出に残ってる。タクシーの運転手向けらしく深夜2:30に開く。浅草でめちゃめちゃに酔った最後にタクシーでここに行くのが上級者。店内に独特のにおいが漂ってるので酔ってないとつらい。カレー(300円)にキャベツを混ぜて食べると独特のうまみがある。

他にも沢山ある

気になったら聞いてみて欲しい。色々語りたい。