数学熱は今年も続いている。ガロア理論講座は終わり、抽象代数学を学んでいる。なんと今のところ授業についていけている!ガロア理論は全然分からなかったが、やろうとしていることや5次方程式が一般に解けないことの証明の大まかな道筋は分かった気がしている。
世間的にも数学はブームだったように思うが、どうだろう。『はじめアルゴリズム』、『数字であそぼ。』『フェルマーの料理』など、数学(しかも大学レベル)をテーマにした漫画が描かれ、加藤文元先生の『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』は7刷まで重版がかかったそうだ。色んな賞も受賞している。年末年始は先生が書かれた線形代数と微分積分を勉強したい。他にもたくさん数学書を買った。理解できないものも多いので、なるべく図書館で借りることにしているが、明らかに読むのにかかる時間以上のペースで増えていっている。理工系の古本屋で200円くらいの文庫本を買うのが日々の楽しみになっているせいもある。
最近は趣味を聞かれた時には迷わず「数学」と言う。これは自分が数学を理解しているとか、高度な数学を研究しているとかではない。けれども、自分が面白いと思うことや分からないことを、誰かが解決してくれはしないという意味で、自分の数学ができているという確信を持てるようになった。
問題集には答えがあり、論文では色んなことが証明されている。しかし、自分が数学の何を面白いと思っているかは、どこにも書かれていない。もしかしたらあるのかも知れないけど、まだ見つかっていない。先生に聞いても分からないだろう。「正しい問いを立てられれば、問題は半分解けたも同然」と言われるように、まずは問いを立てなければならない。そしてその問いを立てられるのは自分しかいないのだ。
今年の夏に「ロマンティック数学ナイト」というイベントが開かれた。主催の「和から株式会社」が開講していた数学ゼミを受講していたため、その成果発表として枠をいただいたのだが、残念ながら都合により参加できなかった。代理で発表してもらったスライドがある(Githubにコードも上げている)。単純なものではあるが、1つまとまった形にできたのは大きい。アドベントカレンダーの趣旨に沿うならこれがベストだ。手法自体は既に他の人も実践しているので、新奇性というほどのものはない。ただ、ここに辿り着くまでに色々調べたりもしていて、あと2段階くらいブレイクスルーが起きればそれなりに誰もやってないところに行けそうな予感がある。数学が得意な人は自分のように形や色に興味を持ってないし、デザイナーで抽象数学に興味を持っている人もあまり見つからず、加えてある程度プログラムが書ける人、となるとさらに数が限られてくるので、これはもう自分がやるしかないな!という気持ち。
やりたいことは「何らかの規則を元に、形を作る。」これだけのことだ。そしてそこで大事なのは、実は幾何学ではなく数論だったりするんじゃないかな、というのが最近の気づきで、来年のテーマとしたい。具体的な目標としては大学の研究紀要に載せること。
この記事は2019 Advent Calendar 2019の17日目の記事として書かれました。昨日は_ngmndaさん、明日はO-SHOW:THE:R!PPΣRさんです。お楽しみに。