金曜日, 2月 06, 2015

福島に行ってきた

イノベーション東北のプロジェクトのひとつ、LIFEKUの方々が募集していた観光アプリの制作に参加することになり、1月24日, 25日と週末を利用して福島に行ってきた。

震災の影響は目に見える部分ではそれほど感じられない。しかし人口の減少や、福島駅西口にある大型ショッピングモールの影響などで、東口商店街の商売は厳しい状況に立たされているようだ。彼らは生き残りをかけて世界でも戦える商品やサービスを開発しようとしている。

最初に伺ったのは「あんざい果樹園」。通称あんかじゅ。ご主人はfacebookやLINEをめちゃめちゃ使いこなしている。奥さんが集めた器や雑貨も販売していて、ここがライフクの人々の溜まり場となっているそうだ。日当たりもよく気持ちのいい建物。林檎と洋梨をいただいた。林檎は蜜が多く、洋梨はどろどろしてなくて密度が高い。とても美味しかった。敷地内で音楽イベントなども開催されていて、ハナレグミや原田郁子さん、大友良英さんなどよく知っているアーティストがライブを行った。

昼は北京料理「王芳」で食事。餃子が非常に美味しい。酢と辛子でいただく。みそそば(いわゆるジャージャー麺)を食べたが、初めて食べる味で良かった。歳を取ると新しい味に出会うことが至上の喜びになる。

うろこや」でお茶をいただきつつ、甘納豆をご馳走になる。「塩花豆」をお土産に買って帰った。

BarnS」で服や雑貨を見る。後で触れる「Pick-Up」の姉妹店で、女性向けの服や雑貨が中心。旭川の知り合いが働いているSÜNUSUの商品も置いてあった。2階がワークショップなどを行えるスペースになっている。苺をいただく。食べてばっかり。

その後「Pick-Up」へ移動。藁谷さんが働いている。「ボトムズの丈は折らずにちゃんと合わせて切る」「ニューバランスの紐はベロの後ろに入れる」とか作法があるんだよと教えてもらった。2階には社長が手書きで記している日本のファッションの歴史年表があり、沢山のカタログや、昔のファッション雑誌がある。「外国から服が輸入されてくる」という体験をした最初の世代がPick-Upの社長であり、BEAMやUnited Arrowsの創業者達なのだそう。店が狭く店員と客が向き合わざるを得ないので、うざいくらいに話しかけるらしい。店の人と仲良くなることや分かっている人にアドバイスしてもらえるのはありがたいことだと思う。コーディネート代行サービスがあるくらいだし。服を選んでくれる人、良い写真を撮ってくれる人、信頼できる美容師を見つけると人生は豊かになる。ドラゴンクエストのパーティみたいな感じ。

その後「珈琲舎 雅」でコーヒーをいただく。お洒落で落ち着いた店内。マグカップが色々あって、楽しい。「biji」でビンテージの家具を見せてもらい、駅前を歩いて「OPTICAL YABUUCHI」へ。籔内さんが店主をしている眼鏡屋で、元々は時計屋だったそうだ。籔内さんやスタッフの眼鏡に対する知識や熱意は素晴らしく、眼鏡デザイナーの話やオリジナルで作っているシリーズの話など、どんどん面白い話が出てくる。2階に個性的な植物を扱う「bloom」、レコード屋の「Little Bird」が入っていて、オシャ。籔内さんが設計し、LIFEKUの皆が手伝ってリノベーションしたそうだ。籔内さんは眼鏡作りを追求する余りRhinocerosに手を出したりもしていて、とにかく何でもやっている。

木だけで作ってるフレーム。数ヶ月待ちらしい。

ラ・セルバティカで美味しい晩御飯を食べ(その日の料理に使った肉や野菜からとった特別なあったかいスープで始まる)、福島のことやお互いのこと、アプリに対する考えなどを話した。

23時半頃にホテルに戻り、各自シャワーを浴びるなどして整えた後、0時30分から2時過ぎまでミーティング。メンバー間の面白いと思うポイントが近く、すぐに話がまとまった。ディレクターは連日の疲れにより撃沈、エンジニアはテンションが上がって夜の街に繰り出して行った(何もない道をただ歩いただけだったらしい)。少し資料に手を入れて就寝。

8時前に起き、撃沈したディレクターを置いて鯖湖湯という市が運営している共同浴場に行った。源泉が51.4度もあり、水で薄めないことにはどうやっても入れない。常連は薄めないそうだが、観光客向けに薄めてあげてくれという注意書きがある。かけ湯をしながら徐々に身体を慣らしていくのだが、それでもめちゃくちゃ熱い。建築も面白く、脱衣所と浴室がシームレス。

外に出たらちょうど雪が降っていて、非常に綺麗だった。身体は火照っているが、外気は冷たく、非常にすっきりする。サウナと水風呂のセッションに近い。サ道でいう「整う」感じ。

その後「信夫山・烏ヶ崎展望デッキ」へ。福島市内が一望できる、由緒ある山。山の中腹では何かしら工事が行われていた。除染作業だったのかも知れない。空間線量が書かれた看板があった。以前は線量が高かったらしい。山菜採りもできなくなったそうだ。

藁谷さんと籔内さんにコーヒーを淹れてもらい、地理を教わる。お年寄りの集まりが登ってきて、林檎やお菓子を分けてくれる。ビニール袋から丁寧にカットされた林檎を差し出しながら「検査してあっから大丈夫だよ〜」と笑う。

ホテルに戻ってチェックアウトを済ませ、OPTICAL YABUUCHIの3階でアプリの企画を提案。始まる前にコーヒーを淹れてもらう。これに影響を受けて帰ってからドリッパーを買った。反応は上々。アプリの方向性としては、いわゆるガイドブックではなく、僕達がしてもらったツアーをその人に合わせて組んでもらえるような仕組み。元々LIFEKUではコンシェルジュ的なサービスをしているので、それを楽にしたり、フィードバックを受けて改善につなげられるものにしようということになった。

東京の真似をするでもなく、のどかな土地でゆっくり豊かな時間を過ごせて良いですね、というのでもない。自分の周りにあるものやいる人で、できることをやっている。いいものを作る、伝える、それで生活をする。

年始に妻の実家を訪れた際、義父が天気予報の度に僕の実家の予報も見るようになったと言ってくれた。僕の両親も妻の実家の予報を見ているそうだ。

韓国のソウルに住んでいる友達、クロアチアのザグレブでお世話になった人、アメリカのニューハンプシャーでホストしてくれた家族。具体的な人の顔を浮かべられれば、その土地をリアルに感じられる。インターネット大好きっ子なので「現場」という言葉には注意してるのだけど、同じ釜の飯を食う、裸の付き合いをするといったことが、リアリティに大きく影響していることは間違いない。そういったものやことを増やしていくのが、ある時期は重苦しく感じられたが、今は楽しみになっている。

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