食や本に顕著なのだが、去年の振り返りが完全に年の後半の出来事に偏っていた。振り返りの間隔を縮める必要を感じる。
2015年の頭に意識していくことを挙げたが、今年はどうか。
状況に合わせた情報の提示
去年は「アグリゲーションのアグリゲーション」を挙げていたが、これに関してはGoogleが良さそう。開発用にAndroid端末も購入したのでスマートウォッチもGoogle WearにしてGoogle Nowに色々任せてみるつもり。学生時代に情報の解像度とシーンに関しては考えていたが、BLEやAIなどの技術がより普及すればかなり便利になりそう。
当時のプロジェクトを率いていた入江先生も退官し、その頃の知見がどのようにアップデートされているか不明だが、せっかくなので共有しておく。
Know(知る), View(見る), Touch(触れる), Manipulate(操作する)というように、情報に対する人間の関与の深さを解像度として表している。そしてPersonal(個人), Village(仲間との共有空間), Public(公共空間), Ad hoc(状況に応じて変化する場)においてやり取りする情報を挙げている。
例えば誰かにiPhoneの画面を見せている最中に、LINEの通知が来て上部のバナーに本文が表示され、恥ずかしい思いをした経験があるだろう。設定でプレビューの表示を切り替えられるが、人間がいちいち決めるのではなく、状況に応じて最適と思われる形になっていて欲しい。
スマートウォッチやIoTと呼ばれるものの普及はこの考えを推し進めるものだ。かつては全ての情報がデスクトップコンピュータにあり、操作もそこで行う必要があった。それが少しずつ切り分けられ、通知のみであれば腕時計を見れば良く(Know)、緊急度や内容に応じてスマートフォンで確認するなり(View)、デスクに戻って作業する(Manipulate)なりのグラデーションが作られるようになった。
BasecampにWork can waitという機能がある。今すぐ返事が欲しいのか、就業時間内であれば良いのか、各自の状況に合わせて通知方法を選択する。x.aiはスケジュールの空きを見つけて最適なミーティングのスケジュールを設定してくれるが、こういうことがもっとスマートに実装されていくと、取り組むべきタスクが自動で割り振られるようになるかもしれない。便利なのか窮屈なのかは分からないが…。
Facebookも対話型の人工知能アシスタントを開発中だが、これらの流れはGUI的なコックピット型のインターフェースからCUI的なコマンド型のインターフェースへの回帰と言えるのではないだろうか。この話題についてはもう少し詳しく書きたい。
Meta Design
研究テーマみたいなのものが欲しいなと思い、何かしら中長期的に興味を持てそうな分野を調べていた。提唱しているRune Madsenによると、デザイナーは自らの手を動かして最終的な成果物を作る人で、メタデザイナーはコードを書くなどして最終成果物を作るシステムを作る人と定義している。
修士論文ではインターフェースとその積極的な誤用によってどのような創造が可能になるかを調べていた。ゲーム会社でUIデザイナーとして仕事をしていた時も、「脳と直結すればいいインターフェースというのも違うよね」という先輩プログラマーの話が引っかかっていた。
人間が想定していたものから、少しはみ出るものを作るにはどうすればよいか。
生活
去年で一気にシェアリングエコノミーが広がった(周りでホストや利用者がいる、飲み屋で耳にするなどの体感値。客観的なデータは総務省がまとめた情報通信白書が面白い)。AirBnBをインフラとして、清掃作業やメールなどの運用代行サービスを提供するビジネスも出てきた(元々のコンセプトからずれるのでやめて欲しいがそれも含めて生態系っぽい)。Sumally PocketはそのままSumallyと組み合わせて個人間のレンタルサービスにも展開できそうな気がする。これらのサービスは固定化していた資産やスキルを流動化させ、お金の動きを作ったというのが大きい。
個人的にはここまで普及したスマートフォンを利用して世の中に役立つものを作りたい。ゲームやSNSに使ってる時間やCPUでできるボランティアを可能にするような。
食に関してもシェフズテーブル的なものからSoylent的なものまで幅広く体験していきたい。そこそこお金があれば退屈しないだけのコンテンツがあり、食べるのにも困らないが、だからこそそうでない世界が見たいし、その体験を活かす方面で努力したい。
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