火曜日, 12月 02, 2025

2025年のベスト数学

今年はなんと会社の都合でタイのバンコクに住むという転機が訪れた。目標であった博士課程進学が遠のいた感はあるものの、研究対象が仕事とも微妙に近づいており、あまり焦らなくても良いのではないかと思うようになった。

私の現在の数学の拠り所となっている放送大学。東京との2拠点生活ではあるのでそれほど不便ではないが、来年4月からは正式に海外在住でも学べるようになるらしい。

今年は面接授業の「ゲーム作成で学ぶ線形代数入門」が面白かった。Paul Orlandの『プログラミングのための数学』を参考書として線形代数の基礎からPythonを使ってゲームを動かすところまで。

シラバスには

Python の知識は前提にしませんが、Excelは簡単な操作ができることを前提にします
と書かれていたが、実際はターミナルを起動してPythonの仮想環境を作り、VS CodeでJupyter Notebookを扱うスタイルで教室は大混乱だった(環境構築の資料は丁寧に書かれていて、その通りにやれば問題なかったのだが、その通りにやれないのが人間)。

そして見つけてしまったのが大学院開設科目の「計算と自然」だ。もともと自然計算という分野には興味があり、理解できないながらも近代科学社のナチュラルコンピューティング・シリーズの第0巻『自然計算へのいざない』を読んだりしていたのだが、なんとこの編集委員である萩谷昌己先生が講義をされているのであった。学部生なので単位にはならないものの、教科書は買えるし講義もオンラインで視聴できる。まさに今の自分の興味のど真ん中で、おもしれー!と感極まって教科書を閉じる(閉じるなよ)という状態。読んでいて分かったこととしては、ナチュラルコンピューティング・シリーズでまず読むべきは第7巻の『自然計算の基礎』だということ。これも面白すぎてすぐに閉じてしまう。第4章には圏論が出てきて、ずっと追ってきた加藤文元先生の『はじめての圏論』に繋がる。今年の残り時間はこれらと一緒に過ごしたい。

ここで冒頭の伏線回収になるのだが、会社の新規事業として東京の清澄白河に「Kinoko Social Club」という場を作った(ロゴのデザインや皿のレーザー刻印などを担当)。メンバーそれぞれにこの活動体に対する思いはあるが、私はきのこ及び菌類と自然計算のつながりで何か作品を作れないか探っている。

あとは藝術と技術の対話(DAT)。このサイトを制作しつつ藤幡さんと様々な話をした。必然的に博士課程でも向き合うことになる内容であり、藝術と技術の普遍性とローカル性について考えるのに、いま自分がタイにいることは活きてくるはず。2021年に国際交流基金アジアセンターの「Jalan-jalan di Asia-アジアを歩く」というプロジェクトに参加した際に、東南アジアの文化や知性、日本の戦前の思想に触れ、興味を持った。Webサイトはもう見られないが、中身は古市さんの根性でPDFとしてアーカイブされている(本当に大事)ので読んで欲しい。ここでの仕事がCCBTに繋がり、DATに行き着いたのは感慨深い。来年はもっと楽しくなると思う。

この記事は 2025 Advent Calendar 2025 の2日目でした。1日目は taizooo さん、3日目は a_suenami さんです。お楽しみに。

日曜日, 12月 15, 2024

2024年のベスト数学

今年のベストはアルブレヒト・デューラー『測定法教則』注解を買ったこと。
デューラーは画家として有名で、この本も中央公論美術出版から出ている。正式には『線、平面、立体におけるコンパスと定規による測定法教則、理論を愛する全ての人の利用のために、アルブレヒト・デューラーの著した説明図付きの書、1525年印刷』と訳されるそうだ。

放送大学で去年履修した三浦伸夫『数学の歴史』で知ったのだが、この三浦教授が第二編で「数学史におけるデューラー」という解説を書いている。

デューラーには「若者が基礎を弁えずにただ日常的な慣習だけから学び」「無知のままに成長し」「無思慮に自己の好みのままに作品を作った」という不満があった。絵画に必要な数学的知識を若者に教え、絵画に数学的な基礎付けをすることで、技芸から学へと高める目的があったという。これは自分がクリエイティブコーディングに感じている不満に通じる。単純に現代的な感覚に引き付けて考えるのは危険だし、数学が基礎付けられることで学術となるか、それが正しいのかは自明ではないが、「蜘蛛の形の関数」や、アルファベットの書き方も解説していて、さながらクリエイティブコーディングをきっかけにプログラミングに興味を持ってもらおうとする現代の教育者のようだ。証明はなく実用に重きをおいた内容ではあるものの、高度すぎて若者に数学を理解させるという目的は達成できていない、というのが現代での評価ではある。コンピュータの恩恵に与り、テキストだけでなくゲーム的な仕組みでそこを乗り越えるのが自分の研究になると思う。

先日、高木隆司が立ち上げた「形の科学会」のシンポジウムがあったので聴講してきた。学生時代は学会に入っていなかったのだが、改めて学術コミュニティっていいなと思った。全ての発表に質問する先生や、御年84歳で新しい理論を発表し続けている宮崎興二先生を間近で見て、大変に刺激になった。

実は『プリンストン数学大全』も買ってしまった。なかなかの出費の割に全然読めていないが、読もうと思えばいつでも読める安心感に価値がある。

この記事は 2024 Advent Calendar 2024 の15日目でした。14日目は juneboku さん、16日目は xKxAxKx さんです。お楽しみに。

月曜日, 12月 18, 2023

2023年のベスト数学

放送大学で初めて数学のゼミに参加した。結局仕事が忙しくなって1度しか出られなかったが、客員教授が担当してくれて、学生が自主的に読み進める。噂には聞いていたが、数学のゼミでは本当に教科書の2、3ページを読むのに3時間かける。内容は多様体で、参加者も工学部出身で数学に挫折した人から、美容関係の仕事をしつつ突如量子力学に目覚めた人まで多様。

放送大学では『数学の歴史』も履修している。今でいう数学や哲学、芸術はかつてもっと渾然一体としていた、という話は知識として持っていたし、多分野に渡る成果を出した偉人も知っている。しかしその実際のあり方までは想像できていなかったので、すごく面白い。ルネサンス期の数学は古代ギリシャ数学を復興させるために語学に長けた人文主義者(コンマンディーノなど)が中心であったなど。デューラー、ヤムニッツァーについても掘り下げて調べてみたい。

うまく人には説明できないのだが、自分にとって数学の記法や記号の整理はUIデザインに近い。ある概念を記号化し、操作可能にする。それによって人間の思考や能力を拡張する。世界の見方を変える。「使いやすさ」とも違う道具のあり方とでもいうのだろうか…。

夏にIAMASの進学相談があったので、ぼんやり考えていたことをまとめ始めた。そうして手を動かすとそれに応じて思考も進み、選び取る情報の精度も上がり、タイミングよくテーマに合った本が手に入る、みたいなことが起きる。私は今までこれのためにやってきたのだ、というような感覚。修士時代の疑問や課題は、良くも悪くもまだ手がつけられていないように思える。芸術と科学の両分野において、それぞれの文脈を踏まえ学術的な作法に則り、新しい発見や手法をもたらしたい。もう少し具体的にいうと数理的な形の研究で、群論を調べていった先に何かがある気がしている。通常学術的な研究は素材の開発だったり空間の設計だったり実用化・最適化を目指して行われるが、表現にもまだ開拓されていない領域があるのではないか。私は昔から数学の教科書に出てくる図版に惹かれていた。人間が自由に想像して作ったものというよりは、ある規則に基づいて人間が理解できる形を模索した結果、こうとしか表現できないといった趣で生み出されたもの。

参考になりそうなのは数理的な研究の立場から芸術にアプローチしていった人たち。今年のお気に入りを挙げておく。

  • 高木隆司『かたちの不思議』
  • 伏見康治『紋様の科学』
  • 福田宏、中村義作『エッシャーの絵から結晶構造へ』
  • 日本図学会編『美の図学』
  • 西山亨『フリーズの数学 スケッチ帖』
  • 吉田武『たくましい数学』

この記事は2023アドベントカレンダー2023の18日目でした。17日目は nagayama さん、19日目は nnca_ntn さんです。お楽しみに。

月曜日, 12月 12, 2022

2022年のベスト数学

ようやく数学との付き合い方が分かってきたように思う。机の周りなど自然と手に取れる範囲にある本が数学の本になってきた。以前はまだ「頑張って数学を勉強するぞ」という感じだったが、だいぶ気負いなく楽しめるようになったと思う。世間的にも大学数学の教科書が、大手の出版社から手に取りやすい価格で出たりして、高度な内容を体系的に楽しめる状況が整いつつある。Martin H. Weissman、安福悠『図解する整数論』は、まさに自分がやりたかったことではないか(2019年の最後の段落)と驚いたと同時に、数学の言葉でこういう風に語れればやれることがありそうだと自信をもらった。「数は、数えたり測ったりするために使うものとし、それ以上は考えない」という姿勢。他にも「フリーズの数学」や「ヤング図形」など、新しい景色が見えてきていて興味は尽きない。

放送大学

面接授業で『身近な群』という講義を受けた。ルービックキューブやあみだくじや壁紙のパターンのような「日常的に目にする」身近さを想像していたのだが、「線形代数で考えると具体例が沢山見つかる」という意味の身近さだった。群は抽象代数学で扱うのが主流ではあるが、先生は幾何のご出身で、線形代数から群にアプローチして具体的な計算に慣れることで理解を深めるのが狙い。もう少し知りたくなって参考書があるか聞いたら「ない」と言われた。色んな分野からかき集めたものであり、「本を読んで勉強するものではない」とのこと。「リー群」など関連しそうなキーワードだけ教えていただいた。

放送授業は去年単位が取れなかった微分積分と線形代数を引き続き受けている。これらを勉強したくて始めたのに、「しっかり理解したいから後で時間とろう→そんな時間はない」となってしまっている。理系科目の難しさは度々言及されているので、じっくりやっていこうと思う。

図書館にもお世話になっていて、Springerや丸善が提供する電子書籍が読める。いつか買うつもりの『プリンストン数学大全』も読めるし、ブルーバックスなども結構な冊数が読めるので本当にありがたい。また、知らずに読んでいたのだが高橋礼司『対称性の数学』や石田英敬『現代思想の教科書』は放送大学での講義を基にした書籍で、千葉の本部図書館に行けば映像を観られるようだ。CTGの槌屋治紀も『技術の分析と創造』という講義を開いていた。教科書を中古で買ったが、コンピュータアートに関しては一切触れていなかった。

コンピュータと美学

図書館といえば川野洋『コンピュータと美学』を東京都現代美術館の図書室で読んだ。メディアアートの先駆者として個人的な興味で調べていたのだが、自分たちが学生時代にしていた作品と論文を組み合わせる形式も、この流れにあったのだと分かり、約20年の時を経て納得した。絶版で中古市場でも手に入りづらくなっているため、復刊あるいは電子書籍化できないかを出版社に問い合わせたところ、真摯な回答をいただいた。ひとまず経緯を見守りたい。

川野さんの作品も展示されていた『イメージ・メイキングを分解する』という展覧会があったのだが(不覚にも観に行けず図録のみ入手)、ここに木本圭子さんが寄せたテキストには元気づけられた。オンラインでも読める。

ここまで、私が接してきた数学のことを書いたが、まだどれも入り口だと考えている。いろんな数学書(解析や多様体や複素解析など)を読んできたが、その最初の数十ページの基礎の思考が重要だった。

野生の秩序、散歩の途中 | TEXTS | ÉKRITS / エクリ

群論の入門書を読み、非常にシンプルな規則からものすごい広がりが生まれていると錯覚していたのだが、歴史的には逆で、さまざまな分野の議論が整理され削ぎ落とされて成立したものらしい。「数十ページの基礎の思考が重要」というのはそういうことだろうと思う。

木本さんの仕事を調べていると東京理科大学の科学フォーラムが見つかった。2010年7月号のコンピュータアート特集で、他に川野洋、ハロルド・コーエンなどが寄稿している。川野さんは10月号にも記事を書いており、彼の作品がZKMに寄贈されるに至った流れを説明している。本人が亡くなる2年前の原稿で、歴史的にも重要な資料のはず。これもどうすれば入手できるかを問い合わせたら、10年以上前のもので傷や汚れがあるとのことで「お役に立てれば幸いです」と無償で譲っていただいた(実際はとても綺麗な状態だった)。

このようにさまざまな窓口は開かれている。SNSに閉塞感を抱くでもなく、Web3に望みを託すでもなく、見知らぬ人々と立場を超えて繋がれるインターネットはただそこにある。


この記事は2022 Advent Calendar 2022の12日目の記事として書かれました。昨日はjune29さん、明日はshikakunさんです。お楽しみに。

水曜日, 12月 08, 2021

2021年のベスト数学

去年書いたように今年は放送大学を始めた。前期に「初歩からの数学」を履修し終え、後期に「入門線形代数」「入門微分積分」を履修している。実は履修登録の仕組みを勘違いし、前期で1年分の授業を取ってしまい大変な目に遭った。登録した科目は次学期に再挑戦が可能なので、線形代数と微分積分は前期の試験を受けず後期に回した。放送授業は履修登録したもの以外もネットで観られるため、前期から少しずつ観てはいたのだが、仕事が忙しくなるとどうしても気持ちを切り替えられず、まとまった時間を取れなかった。

絹田村子数字であそぼ3巻14話「数学学習の一意性」より

今のところ線形代数はまだついていけている感覚があるのだが、微分で躓いており、通信指導の結果も思わしくなかったので、単位認定試験までに復習しなければならない。さらに演習問題をこなす必要性を感じたため、新たな参考書も購入した。

そんな中で今年のベストは、Anthony Froshaugを再発見したことだ。Amazonの履歴によれば2010年、当時はタイポグラフィやグリッドデザインへの興味から何の気なしに作品集を買っていたのだが、最近になって彼がかなり数学に傾倒していたことを知った。ウルム造形大学やロイヤル・カレッジ・オブ・アートなどでグラフィックデザインを教えており、50歳を過ぎてから自らもOpen Universityという通信制大学で数学を勉強していた。作品集にメモが載っていて、その内容が群論だと分かったのは嬉しかった。同じ時期にCentral School of Artで開いていたVisual Mathematicsという授業がとても気になる。

ちょうど来年彼についての本が出るようで、こちらも期待している。

この記事は2021 Advent Calendar 2021の8日目の記事として書かれました。昨日はnbqxさん、明日はnobokoさんです。お楽しみに。

火曜日, 12月 15, 2020

2020年のベスト(を尽くした)数学

今年は言うまでもなく新型コロナウイルスの影響で家にいる時間が長かったが、数学の勉強はあまり進まなかった。外出自粛中に始めたDuolingoでの英語と韓国語は12月15日現在で264日続いており、その他にもMemriseAnkiELSA Speakは毎日欠かさず続けられているので、やはり自分は文系科目が得意なのだろう。Brilliantというアプリが高度な数学を取り扱っていて、コンピュータサイエンスなども学べてUIもいい感じなのだが、いかんせん英語で学ぶハードルが高く(記憶に定着しづらい、概念が掴めない、専門用語が分からない)、途切れがちになってしまった。語学の伸びでいつかカバーできるようになれば良いのだが。

世の中的にはABC予想の証明が認められたり、感染症の数理モデルが注目されたり、PCR検査でベイズの定理が話題に挙がったり、三菱UFJの社長が数学科出身の人になったりと、数学の年だったと思う(毎年言ってる)。『数学ゴールデン』という数学オリンピックを目指す高校生が主人公の漫画の単行本も出た。

年の前半は仕事も少なく、いい機会だからとチュートリアルをこなしていた。これはOpenGLなどのグラフィックライブラリを使わずに3Dレンダリングの原理を学ぶ講座で、三角関数の加法定理の幾何学的な証明などもあって楽しめた。

Learn 3D Computer Graphics Programming from Scratch

その後ゲームを作る仕事があり、少しは経験を活かせたかも知れない。

ステイホームでいつもは後回しにしがちな事務作業がしやすく、せっかくマイナンバーも取得していたので資産運用を始めた。少額で投資信託を積み立てたり、好きな企業の株を買ったりしているが、一応数学的な知識も参照している。毎朝の更新が楽しみで、クリスマスの朝を待つ子供のような気分で寝られる。年を取るのも悪くない(利回りが良ければ)と思えるようになった。

カルチャーセンターでの抽象代数学講座はコロナで3ヵ月間休講し、その分後ろにずれたので、今月が最後となる。来年からはちょっと趣向を変えてゲストを呼んだトーク形式になるようだ。それはそれで面白いと思うのだが、大学の講義のように、ひたすら先生が解説をして演習を解くスタイルが好きだったので少し残念。(これは3ヵ月ずれた影響で、新年度が始まる4月までのつなぎっぽい。4月からは微分・積分だとか。行かねば!)

ということもあり、やっぱり体系的に大学の数学を学びたい、と思って放送大学の情報コースに出願した。自分は専修学校から大学院に進んだため、一般教養的な授業を一切受けておらず、それに対する飢餓感が常にあった。放送大学は所属コースを決め、卒業までに必要な単位のうち、所属コース外の授業をいくつか取らなければならない仕組みになっている。そのためメインとなる情報コースでは仕事に役立ちそうな技術や法律を学び、社会と産業コースで経営や会計、自然と環境コースで高度な数学、人間と文化コースで美術の歴史などを学べばかなりの知的好奇心が満たされるのではないかと期待している。あと韓国語もある。

今年読んだ本では伊藤由佳理『美しい数学入門』がとても面白かった。「美しい」とあるが、黄金比による視覚的な美とかではなく、構造や理論が中心。

抽象代数学やその他の本でも必ず「写像」の概念が出てくるが、高校時代に習ったはずの概念がこれほど重要だとは思わなかった。風邪か何かで休んだのか、寝ていたのか、先生が話していた様子を思い出せず、教科書を読んでもよく分からず、全射・単射・全単射の違いは分かったけど、何のためにこんなことをしているのだろうかと思った記憶だけが残っている。それがこの本の4章の線形写像の解説を読み、ようやく「そういうことだったのか」と理解した。この感覚を説明するのは難しいのだが、ただ線形写像の定義をそのままそういうものとして受け取るということで、一次関数のグラフや線という言葉のイメージに引っ張られてはいけない、ということだ。これは線形写像に限らず全てにおいて言えることで、自身の数学観が大きく更新された瞬間だった。本文中にさらっと書かれているが、「イメージできないものも扱えるのが数学の強み」正にその通り。20年前に気づいておきたかった。

そう、そしてちょうど語学と数学を勉強していると、何となくある言語を別の言語に翻訳する際に写像が思い浮かぶ。言語を集合ととらえ、互いに変換可能な関係かどうか。当然別の言語では表せない概念もある。しかし逆に、日本語と韓国語は漢字由来のものなど、共通する語や似たような響きで同じ意味を持つ語も多くある。日本語と英語でも「そう」と"so"、「名前」と"name"など、偶然の一致なのか起源が同じなのか、それを表す語として人間が相応しいと思う何かがある(ブーバ・キキ効果みたいな)のか、不思議に思うことはあるだろう。そんなことを調べている人はいるのかなと思ったらやっぱりいた。「不思議だな~」で終わらせず、統計や群論を駆使して誰もが納得できる指標を作ろうとしているのがかっこいい。この中で触れられている安本美典『言語の科学』は古本で安く手に入った。こうして読めない数学書が増えていく…。

この記事は2020 Advent Calendar 2020の15日目の記事として書かれました。昨日はyamanokuさん、明日はyoukosekiさんです。お楽しみに。

火曜日, 12月 17, 2019

2019年の私的数学まとめ

数学熱は今年も続いている。ガロア理論講座は終わり、抽象代数学を学んでいる。なんと今のところ授業についていけている!ガロア理論は全然分からなかったが、やろうとしていることや5次方程式が一般に解けないことの証明の大まかな道筋は分かった気がしている。

世間的にも数学はブームだったように思うが、どうだろう。『はじめアルゴリズム』、『数字であそぼ。』『フェルマーの料理』など、数学(しかも大学レベル)をテーマにした漫画が描かれ、加藤文元先生の『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』は7刷まで重版がかかったそうだ。色んな賞も受賞している。年末年始は先生が書かれた線形代数微分積分を勉強したい。他にもたくさん数学書を買った。理解できないものも多いので、なるべく図書館で借りることにしているが、明らかに読むのにかかる時間以上のペースで増えていっている。理工系の古本屋で200円くらいの文庫本を買うのが日々の楽しみになっているせいもある。

最近は趣味を聞かれた時には迷わず「数学」と言う。これは自分が数学を理解しているとか、高度な数学を研究しているとかではない。けれども、自分が面白いと思うことや分からないことを、誰かが解決してくれはしないという意味で、自分の数学ができているという確信を持てるようになった。

問題集には答えがあり、論文では色んなことが証明されている。しかし、自分が数学の何を面白いと思っているかは、どこにも書かれていない。もしかしたらあるのかも知れないけど、まだ見つかっていない。先生に聞いても分からないだろう。「正しい問いを立てられれば、問題は半分解けたも同然」と言われるように、まずは問いを立てなければならない。そしてその問いを立てられるのは自分しかいないのだ。

今年の夏に「ロマンティック数学ナイト」というイベントが開かれた。主催の「和から株式会社」が開講していた数学ゼミを受講していたため、その成果発表として枠をいただいたのだが、残念ながら都合により参加できなかった。代理で発表してもらったスライドがある(Githubにコードも上げている)。単純なものではあるが、1つまとまった形にできたのは大きい。アドベントカレンダーの趣旨に沿うならこれがベストだ。手法自体は既に他の人も実践しているので、新奇性というほどのものはない。ただ、ここに辿り着くまでに色々調べたりもしていて、あと2段階くらいブレイクスルーが起きればそれなりに誰もやってないところに行けそうな予感がある。数学が得意な人は自分のように形や色に興味を持ってないし、デザイナーで抽象数学に興味を持っている人もあまり見つからず、加えてある程度プログラムが書ける人、となるとさらに数が限られてくるので、これはもう自分がやるしかないな!という気持ち。

やりたいことは「何らかの規則を元に、形を作る。」これだけのことだ。そしてそこで大事なのは、実は幾何学ではなく数論だったりするんじゃないかな、というのが最近の気づきで、来年のテーマとしたい。具体的な目標としては大学の研究紀要に載せること。

この記事は2019 Advent Calendar 2019の17日目の記事として書かれました。昨日は_ngmndaさん、明日はO-SHOW:THE:R!PPΣRさんです。お楽しみに。

火曜日, 12月 11, 2018

2017と比べて2018はどれだけベストだったか

とにもかくにも数学

去年唐突に始まった数学熱は今年も冷めず、というか分からないことだらけで数ページ読んでは本を閉じる、を繰り返してたらいつの間にか1年経っていたというのが正直なところ。代数幾何学の講座は終わり、今はガロア理論の講座を受けている。それとは別に個別指導の塾や、機械学習の数学的な解説の授業、数学ゼミなど、数学にかなりの時間とお金を費やした。

それで何か目に見える成果が得られたのかというと、全くない。そういう視点からすると、とにかくコスパが悪い。が、ここまでコスパが悪いものもそうそうなく、時間を潰すという意味では逆にコスパが良いとも言える。延々悩み続けられる、全く消費されないコンテンツなのだ。

こんなに面白いのだから、誰かもっと早くに教えてくれれば良かったのに、と思うけれども、面白すぎて、他のことが手に付かなくなってしまう。数学を志す人間が心を病んでしまう話はよく耳にするが、それもちょっと分かる気がする。高校までで習っていた数学は氷山の一角に過ぎない。

今まで何度か数学を勉強し直そうとして挫折してたのは、単純に高校のやり直しをしようとしていたからだ。大学数学は全然飽きない。高校数学であんなに難しかったんだから、大学数学なんてできる訳ないんじゃないの、と思ってしまうが、全く歯が立たないということはなく、導入部分であれば中学校の知識でも理解できる。プログラミングの学び方と同じで、必要になった時に遡れば良い。ハンズオン形式のチュートリアルと同じように、証明や式の流れを写経して理解できることも多い。

ここまで夢中になったのは、個別指導でベクトル空間について解説してもらい、高校で習った「向き」と「大きさ」だけじゃない、もっと抽象的なものの集まりを教わったのがきっかけだと思う。さらに演算も、足したり引いたり掛けたり割ったりだけじゃなくて、「あみだくじを繋げる」とか「立方体を回転させる」とかも含んでいて、学生時代に勉強していたアルゴリズム作曲などにうまく接続できそうな予感がした。

数じゃないものを扱ったり、四則以外の演算も数学として扱うということは、個人的には便器がアートになったくらいの衝撃だった。その衝撃を思い出させてくれる解説がYouTubeで公開されているので、観て欲しい。

【代数学】群がどうしても分からない君へ(群論超入門)【特別講義】

数学イベントや大人向け数学塾、カルチャーセンターの充実だけでなく、このような動画も沢山公開されていて、とにかく今年は数学を学ぶのにベストな年となった。教育系YouTuberと呼ばれる人達の中には「ビッグになりたいから」数学の分かりやすい解説を作り続けている人もいて、全く意味が分からないけど感謝しかないしビッグになって欲しい。数学書を買うためにメルカリやヤフオク!を使い始めた(売るような人なので状態が良い)り、仕事で神保町へ行く機会が増えたりした結果、明倫館書店や書泉グランデなどの鉱脈も見つけた。完全に趣味なので、できなくても怒られないし、自分のペースで続けていきたい。

このエントリは 2018 Advent Calendar 2018 の11日目の記事として書かれました。昨日はlesson5さん、明日はxKxAxKxさんです。

水曜日, 5月 09, 2018

AndroidのVrVideoViewで大きな動画ファイルを再生したい時

展示用にVR動画を再生するアプリを作っていた。Android開発は初めてだったがストア配布しないしサンプルあるし楽勝と考えていたら、はまった。loadVideoFromAsset()は大きなファイルの場合ヒープエラーになる。メモリに全部入れてるのだろうか?

そもそもストア配布するAPKには100MBの制限があるので、大きなファイルを再生することは想定してなさそう。拡張ファイルを使う方法があるみたいだけど、今回はコンピュータから直接動画とアプリを入れられれば良い。という訳でloadVideo()を使う。

Android File Transferで端末のDOWNLOADSフォルダ以下に動画を置き、

File file = new File(Environment.getExternalStoragePublicDirectory(Environment.DIRECTORY_DOWNLOADS), "MOVIEFILENAME.mp4");
Uri fileUri = Uri.fromFile(file);

とする。loadVideoFromAsset()はassets以下に置いたファイル名を指定すれば良かったが、loadVideo()にはファイルのUriオブジェクトを渡す。

木曜日, 3月 01, 2018

Link list 2018-02

クレー以後のアメリカのアーティスト10人

http://www.phillipscollection.org/events/2018-02-03-exhibition-after-klee

Artsyのクレーのページ

https://www.artsy.net/artist/paul-klee

造形思考

http://www.webchikuma.jp/articles/-/148

バウハウスのメソッドやクレーの考えをプログラミングに応用できないか調べている

1989年から今日までのネット時代のアート

http://www.e-flux.com/announcements/145758/art-in-the-age-of-the-internet-1989-to-today/

ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて

http://www.arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=471

ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学

http://towadaartcenter.com/exhibitions/rafael-rozendaal-generosity/

NTTヒューマンインタフェース研究所

http://www.ntticc.or.jp/ja/archive/participants/ntt-human-interface-labs/
Daily CodingのためにNon-Photorealistic Computer Graphicsを読んでいたら、この分野の初期に影響力のある論文を書いた人がここの人だった

NTT インターコミュニケーション’95「on the Web —ネットワークの中のミュージアム—」

http://www.ntticc.or.jp/ja/feature/1995/The_Museum_Inside_The_Network/index-j.html
スマートスピーカーとかIoTという言葉がなかった時代のグローバル・インテリア・プロジェクト #1

古堅先生の論文

http://www.furukatics.com/papers.html

火曜日, 1月 23, 2018

Pointer Pointerの仕組み

Jonathan Puckeyが作ったPointer Pointerというサイトがある。話題になったので見た人も多いと思うが、マウスを置くとそこを指差した写真が表示される作品だ。何となく彼のGithubを見ていたら、voronoi-gridというリポジトリがあり、そこにexampleとしてあのサイトの仕組みがわかるコードがあった。

マウスを置くとそこを指で差す写真が表示される、というのは一見単純でくだらないアイディアのようでいて、どう作るかを考えると途方に暮れてしまう。まず思いつくのは画面を等間隔のグリッドで分割し、それぞれに当てはまる写真を撮影する方法だ。しかし、あの質感も含め、無作為に選ばれたような雰囲気は、なかなか意図して出せないだろう。次に考えるのが検索だが、座標に合った位置を指差している写真を探すのはかなり難しい。クラウドソースでひとつひとつお願いして集めるのは可能かも知れないが、これも労力がかかる。

彼の賢さは、これを写真から出発して作り上げたところにある。直接聞いた訳ではないので推測にしかならないが、ソースコードを読み、フォルダ構成を見ればその思考の流れが分かる。

  1. まず人が指を差している写真を集め、全てのサイズを合わせる。
  2. Photoshopなどでカーソルを指の位置に合わせて座標を特定し、ファイル名の末尾に付け加える。
  3. 次に、それを頼りにX座標、Y座標、画像ファイル名をまとめたJavaScriptオブジェクトの配列としてpoints.jsに記録する。
  4. points.jsからデータを読み出し、X座標とY座標の集合からボロノイ分割を作る。ボロノイ分割は、ある点と点の距離が等しくなる線で領域を分割するアルゴリズムだ。これで「写真の指が差している座標で」分割された領域を作ることができる。
  5. あとはマウスの位置が分割されたどの領域上にあるかを特定し、その母点の座標を元に該当のファイルを読み出して表示する。

さらに素晴らしいのは、点の増減が簡単にできることだ。新たな写真を追加し、座標を特定してファイル名をつけ、points.jsにオブジェクトを書き込むだけ。指がどこを差していようが関係なく、プログラムを変更することもなく、どんどん追加できる。削除する場合は、points.jsからオブジェクトを消せば良い。ある点が削除されたとしても、アルゴリズムによって再度領域が分割され、別の写真が割り当てられるので、マウスを合わせた時の自然さは保たれる。

これが最初に考えたような等間隔のグリッドだとどうだろう?1枚だけ追加するとか、1枚だけ削除することはできず、分割した行や列単位で増減させないといけない。プログラムの修正も必要になる。

アイディア自体の面白さだけでなく、仕組みもエレガントで、本当にすごい。

※ exampleのコードではpoints.jsは使ってなくて、おそらくgetPoints()の内部にコピー&ペーストしているが、保守性を考えるとpoints.jsを使うのが望ましい。

金曜日, 1月 05, 2018

Daily Codingをはじめよう

Zachary LiebermanのInstagramMediumに触発され、2017年は毎日スケッチを書こうとしたが8日分しか書けなかった。

高尾くんの記事John Resigの記事を読み直し、再度やってみようと思い年末から少しずつ準備していた。前回の反省はVanilla JavaScriptでやろうとしたことと、特に目標がなかったこと。それを踏まえて今回はp5.jsを使い、テーマ別に書いていくつもり。

ソースコードは全てGithubに上げているのだけど、Github Pagesでリポジトリからそのままホスティングできるのは非常に便利。

https://hysysk.github.io/dailycoding/

今まで自分がよく書いてきた処理をまとめたり、気になってた表現のアルゴリズムを調べたりして、あれってどうやるんだっけなと思った時にすぐ使えるようにしたい。ライブラリほど作り込まない、スニペットのようなもの…というところまで考えて、アドベントカレンダーに書いたメタ-デザインと繋がることに気付いた。ガイドラインを規則として言葉で定義するのではなく、実行可能なデザインシステムとして思想や手法をコードに落とし込むこと。

手始めに気持ちいい動きを作るべくeasingを調べていたら、flash時代のPenner Easingから洗練されてきた歴史があるという発見があった。それまではパラメータを4つほど渡していたのだが、さまざまな工夫の甲斐あって、0から1までの値を受け取って、何らかの式を通して0から1までの値を返せば良いということになっている。非常にシンプルなので再利用性が高く、他の言語にも簡単に移植できる。その上でどれだけ遊べるかというのは、日々のスケッチで挑戦していくことだ。

ひとまずこれまで書いたものを振り返る。

  • 20171230 とりあえず並べてみた。複数のオブジェクトに異なるアニメーションを適用。
  • 20171231 ローディングアニメーション的な動き。
  • 20180104 複数のアニメーションを続けて実行。定義部分と実行部分を分離できた。
  • 20180105 Tween系ライブラリにあるDelay機能を再現し、エフェクトを作った。

単にスキンを変えてバリエーションを作るのではなく、ロジック面でも変化がないと成長しないと思うので、そこを意識して振り返るようにしたい。

金曜日, 12月 08, 2017

2017年に勉強したこと

直接仕事に関わらない分野で、今年一番時間をかけたのは、数学。コンピュータを使った仕事をしているので、数学を「応用」する機会はあるが、応用ではなく純粋な数学がやりたくなった。高校時代は理系だったが、その後の人生で数学を深く学ぶことはなかった。プログラミングで数式を視覚化したり、幾何学的な図形を作りたいとは常々思っているけど、むしろ視覚化できない図形や空間を操作できる世界に可能性があるんじゃないかと思い始めた。こちら側に持ってくるのではなく、あちら側に飛び込もうという訳だ。

そのきっかけになったのは、高校数学のやり直しでもなく、雑学とも違うちょうどいい読み物を探していて、たまたま手に取った『数学する精神』だった。これを読んで、「自分みたいな人間でも数学をやっていいのだ」と思うことができた。

著者の加藤文元さんのことを調べていたら、新宿の朝日カルチャーセンターでの授業を見つけ、すぐに申し込んだ。カルチャーセンターって完全にノーマークだったけど、メディアで見かける人たちが思想的な講義を持ってたりして、新たな鉱脈を発見した感がある。

MATH POWER 2017」での宇宙際タイヒミューラー理論の解説も聴きに行った(宇宙際タイヒミューラー理論を理解しているのは世界で10人くらいで、加藤先生はその1人だそう)。この講義は観客も超満員で非常に熱気がこもっていて、新しい世界に触れることへの期待と知的興奮に満ちた、とても幸せな場だった。中高生でも分かるように解説するということで、数式もあまりでてこず、感覚的に掴めるようになっている。一部でバズった「たし算とかけ算の関係は複雑すぎてよくわからない!」「映像の中のパズルと現実世界のパズルのピースを合わせるイメージ」が気になった人は当日の動画をご覧いただきたい。とにかく整理されたプレゼンで、語り口も含めてその知性に惚れ惚れする。

いまは月に1回、先述のカルチャーセンターで加藤先生の代数幾何学の授業に出席している。途中で日程変更があり、全ての開講日が月の第4火曜になった際に「規則的になったという意味では、この変更は酷い変更ではないですよね?」と言ってて数学者っぽいと思った。生徒の平均年齢はおそらく60歳を超えているので、趣味としては早過ぎたかも知れない。

代数幾何学の本は「入門」と書かれていても数学科の学部卒くらいの知識が必要なので、うかつに買うと痛い目に遭うらしい。大まかなイメージが掴めて読み物としても楽しめるのは『デカルトの精神と代数幾何』とのこと。絶版なので先日オークションで落とした。そこには「数学の本の読み方(高校生のために)」という短いコラムが掲載されているのだが、「書を閉じてペンをとれ」とあった。

今まで自分は「間違ってもいいからとりあえず考えを進めてみる」ということができなくて、何も書かないか、解答を覚えるという方法でやり過ごしてきた。他の科目ではできてたし、プログラミングでも近いことをしているので、なぜ数学でそれができなかったのか今にしてみれば謎なのだけど、とにかくようやく変な呪縛から解放されて、「数学する」ことができるようになった。そんな2017年。

このpostは 2017 Advent Calendar 2017 第8日目の記事として書かれました。昨日は polygon_planet さんでした。明日は poochin さんです。お楽しみに。

日曜日, 11月 19, 2017

Anacondaを入れた環境でvirtualenvを使うとエラーが出ると思ったら

Homebrewで入れたPythonのpipで入れたvirtualenvではなく、condaでvirutalenvを入れて、それを使うようにする。 ここにあるのと同じ。Pythonの環境構築は本当にややこしい。。 https://groups.google.com/a/continuum.io/d/msg/anaconda/XuXMiJLhMgk/fBBnh3EvBAAJ

金曜日, 10月 27, 2017

機械学習の勉強

機械学習に関する話題に触れない日はないが、今まであまり積極的に勉強しようという気はなかった。何だか数学的な別の世界の話で、自分で使うイメージが湧かなかったから。レコメンドシステムの精度を上げたり、絵のスタイルを模倣したり、手描きの数字を判別したりという事例はあるにせよ、自分が思いつく限りではその精度のずれを楽しんだりするぐらいかなと。

しかし最近の仕事で機械学習を使った製品を扱っており、全く知らないでは済まされない雰囲気を感じたので、色々と調べてみたらその考え方や実装方法が非常に興味深く、もっと勉強してみたいと思うようになった。

Stanford University CS231n: Convolutional Neural Networks for Visual Recognition

ディープラーニングに関してはこのStanfordの授業をお手本にしている人が多いと思う。解説も丁寧だし、生徒の質問もよい。難しいことを聞いている訳ではなく、自分なら「そういうもの」として流してしまう部分に「何故?」と疑問を呈しており、なるほどこういう姿勢が秀才を作るのだなと感心する。

kadenzeはアートとクリエイティブテクノロジーに特化してるだけあって、メディアアートの現場でどう使うかが分かりやすく紹介されている。Auditであれば無料。

Machine Learning for Musicians and Artists - an Online Machine Art Course at Kadenze

例えばセンサーをつけた手の動きに合わせて音を鳴らすプログラムを書く場合、入力されたデータから速度や加速度を計算し、いい具合の数値を見つけて条件を分岐させる。「この数値が15以上になったらこの音を鳴らす」みたいな感じで。この作業は非常に面倒だが同時に楽しいところで、身体感覚をプログラムに入れ込んでいくようなイメージ。インタラクティブな作品は、動きの気持ちよさなど、作家の身体感覚が機械に乗り移っているのが面白い。そのためには複数のパラメーターをいじらなければならないのだが、あるパラメーターを変えた際に別のところに影響し、それによって結果が変わるのでまた調整して…の繰り返しとなる。機械学習は言ってみればこの「いい具合」を導き出す技術なので、うまく使うとこういった作業がかなり楽になるんじゃないだろうか(まだ何も作ってないので分からない)。

Creative Applications of Deep Learning with TensorFlow | Kadenze

こちらはTensorFlowを使い、画像生成を学ぶ。ディープラーニングで作られた画像に感じる傾向は、こういう作り方から来てるんだなと理解できる。Jupyterを使っていて、講義の内容もNotebookに書かれているのでめちゃくちゃ勉強しやすい。自分で手を動かす課題もあり、学びながら興味に従って工夫できる。課題はJupyter Notebook上で解説やコメントを参考にしながら、途中まで書かれたコードを完成させる形式。じっくり考える部分とさらっと流してよい部分が分かりやすい。

初心者がどこから勉強するといいのかについては沢山の記事があるが、大抵だらだらリストアップされてて要点が分からない。英語が理解できてクリエイティブコーディングに興味がある場合、「Machine Learning for Musicians and Artists」で概要を掴み、「Creative Applications of Deep Learning with TensorFlow」で手を動かしながら、「Stanford University CS231n」で詳しく学ぶのがいいんじゃないかと思ってる。これらの大事な点としては、課題をちゃんとやること!

あと「ゼロから作るDeep Learning」も読んでいる。これも手を動かしながら学べて、日本語で体系的に理解できる。CS231nを参考にしているようなので、一緒に読むといいと思う。

「単純な作業はAIに任せて、人間はよりクリエイティブなことに取り組もう」というような言葉もよく目にするが、それはプログラムによる自動化と大差がない。何が「単純」で何が「クリエイティブ」かを切り分けるのはなかなか難しい。大竹伸朗の言葉を引用しておく。

「自分がいらないとしたもの、本当はそっちの方に本質なものがあるんじゃないか」

https://www.youtube.com/watch?v=wW0K59OUF2A

土曜日, 4月 08, 2017

Link list 2017-02

Learning to Teach, Teaching to Learn II

https://www.youtube.com/watch?v=D7-m6NJ90RE
SFPCのイベント

日本アニメーション映画クラシックス

http://animation.filmarchives.jp/index.html

渋谷系のMix

http://neojaponisme.com/2017/02/01/the-best-of-shibuya-kei-volume-one/
90年代ぽい音てのは確かにあるんだなと再確認する。サンプリングがなんたるかを知らなかった高校時代(パクりやん、と言ってた)。

Beyond Photography

http://spinroot.com/pico/
数式やコードによる画像の加工が載っていて面白い。時間取ってゆっくり読みたい。

噂だけの世紀末

https://www.youtube.com/watch?v=5vae1ABR6RA
NHKでこんなのが流れた時代もあったのだ(生まれてたけどみてない)。。

Interneting Is Hard

https://internetingishard.com/
わかりやすいチュートリアル

The Outline

https://theoutline.com/
気合い入り過ぎで重いけど記事も面白い。

月曜日, 2月 13, 2017

Link list 2017-01

印象に残ったラップ2016

http://keikun-jyouhoukyoku.tumblr.com/post/155846528145/

あるデザイナーが数学を克服した話

https://blog.framer.com/a-story-of-a-designer-conquering-mathematics-d0fd4585f0ba#.yrtxg1kdp

Data Selfie

http://dataselfie.it/
facebookを閲覧している時に取られている情報を可視化

New tools for free sound powerhouse Pd make it worth a new look

http://cdm.link/2017/01/whats-new-world-free-sound-powerhouse-pd/

The Circular Design Guide

http://www.circulardesignguide.com/

論文を読むということ

http://www.chem.waseda.ac.jp/koide/20160108.pdf

365 shapes of blue

http://365shapesof.blue/

火曜日, 1月 24, 2017

Photoshopのテキストを全てシェイプに変換するスクリプト

Photoshopで作成して納品したデザインデータを、「こちらで調整ができるように文字をシェイプにして渡して欲しい」と言われ、本来であれば小さな変更でもこちらを通してやってもらいたくかつその分の作業費も受け取りたいところではあるが、先方にも色々事情があることはわかるし世の中は綺麗事だけでは進まない(完璧を目指すよりまず終わらせろ)。

Illustratorだと文字を選択してアウトライン化するのは比較的楽なんだけど、Photoshopの場合はレイヤーパネルとかから一つ一つ選択して変換しなければならない(と思う)。修正したり何かする度に沢山のレイヤーから漏れなくテキストをシェイプ化して納品用データを作り直すのが地味に大変。ということで書いた。

text2shape.jsx

日曜日, 1月 08, 2017

Link list 2016-12

2016年が良い年だったと言える99の理由

https://medium.com/future-crunch/99-reasons-why-2016-has-been-a-great-year-for-humanity-8420debc2823#.wngw1j6f5

Daily Sketches in 2016

https://medium.com/@zachlieberman/daily-sketches-2016-28586d8f008e#.be8j94q08

世界とのインターフェイス ──グーグルマップの社会学をめぐって

http://10plus1.jp/monthly/2016/11/issue-01.php

Alabama Shakes Live at Studio Coast on 2016-12-12

https://archive.org/details/alabamashakes2016-12-12.alabamashakes2016-12-12.flac24

The Fifth Sense, Episode 3: Making Codes with Lucy Hardcastle, presented by CHANEL and i-D

https://www.youtube.com/watch?v=y7hTuqxq14Y

A Song A Day’s 22 Favorite Albums of 2016

https://medium.com/a-song-a-day/a-song-a-days-22-favorite-albums-of-2016-72ff66a61fe3#.o83jxovyl

絵葉書美術館

http://www20.tok2.com/home/koichi76/index.html

OOUX – オブジェクトベースのUIモデリング

https://www.sociomedia.co.jp/7279