日曜日, 3月 25, 2007

code composition

プログラミングに興味を持った頃から効率的なコーディングというよりは言語としての面白さに惹かれてきたような気がしている。修士論文もあることだし、ちょっと最近考えている事をとっかかりにしてcode compositionというカテゴリーで主にprocessing(p5)のコードによるスケッチをしていこうと思う。

まずきっかけとなるのはcasey readsの
{software}structures
sol lewittというアーティストが紹介されてるんだけど、彼は指示だけを与えて、実際の絵は製図家に描かせていた。指示は時として曖昧で、「それほど長くない線、まっすぐでなく、互いに触れ合わない、4つの色をランダムに使って描き、一定に散らばって、最大の濃さで壁の表面全体を覆う」とかそんな感じ。訳あってんのかな。

つまりは実装の方法が人によって異なるということ。絵にしても音にしても、効率的なコーディング(って何だと言われると厳しいが)と実際の出力の結果は必ずしも一致しないということから、機械に任せる部分と自分で判断する部分の境界を探ろうと思っている。codeによる計算結果をどうcompositionするか、というところ。ここには結構難しい問題があって、アルゴリズムを用いて作り出されたものを作家が恣意的に選んで並べ替えるとなると、アルゴリズムを使っている意味がない、とか旧来の手法と何が違うのか、という議論になる。ただこれは三輪先生の方法主義や渋谷さんの第三項音楽みたいに手法や新奇性、独自性にフォーカスした時の話であって、僕がやりたいのはそれをデザインとして機能させること。

永原先生の授業でコンピュータを使ったデッサンというテーマのワークショップをしたことがあって、アスキーアートで写真みたいな絵を描くだとか、何種類かのルールに基づいて絵をプロットするjava appletで絵を描くとかいうものがあった。processingなどの簡単な言語が使えるようになった今は、そのルール自体を自分で考えるべきだと思う。バウハウスがデザインを誰でも「使える」ようにしたように、code compositionを「使える」ように。design by numbersがかなり理想に近い。

で、このcode compositionという言葉と概念は久保田先生の「コード・コンポジション入門」というテキストに非常に影響を受けている。supercollider3を使い、素材として点(click)・線(sine wave)・面(white noise)を用いた作曲法で、現在更新が止まっているのが残念だが、多摩美のSSAW05にも一部その考えが紹介されているので参照されたい。SSAWは他にも興味深い話題が多数扱われているので要チェック。日本語だし。

あとはブルーノ・ムナーリの「デザインとヴィジュアル・コミュニケーション」という本を読んでいて思ったことで、単に物理現象や視覚的な美しさ、面白さを追求するだけでなく、最終的に意思や情報の伝達にどう活かすのかということを考えたい。

他にもitpのnature of codeとか。

ちょっとずれるけどホワイの(感動的)Rubyガイドとか。とにかくプログラミング言語が「言語である」というところに何かひっかかるものを感じているのかもしれない。

まだまだ漠然としていてまとまっていないし、今言っていることと全然違うようになる気もするけど、書き進めていくうちに何かが見えてくることを願って...。

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